Sunday, November 06, 2005

"Lower-Class Society" 〜Viewpoint of 80s

下流社会の住人は、人生への意欲が低い。なるほどこれは当たっているかもしれない。下流は、自民党とフジテレビが好き。これも当たっている。この本が売れ ているのもうなずける。「新たな階層集団の出現」という、意義深いテーマの設定で、しかも消費社会論の視点からこれを分析しているという。現代を「金塊 巻」したともいえる手法はなかなかに良い。こなれた記述もあって、あっという間に読ませてしまう。三浦展著『下流社会』光文社新書、2005年、これぞ新書といえる好著である。
で も何かが違う。しかも、何かなつかしいものさえ感じてしまう。80年代的なのである。かくいう私も渡辺和博など好きだったし、手法などはいまでも使える と思っている。ただ、この本が現在の何を表現しているのかといった場合、それはあまり明確ではない。上流は社交的で下流はだらしない。上流はゴルフにス キー に多趣味で、下流はパソコン・インターネットで引きこもり、とされるが、これで現代の何を説明しようとしているのだろうか。消費社会論的には、社交の中身 がもっと問われるべきであろうし、インターネットの中身も問われるべきなのではないだろうか。第2章「階層化による消費者の分裂」は、現代の消費社会的風 俗を知る上では大変面白い。しかし、マーケティングの現場ではそれほど新しい試みとは言えないだろうし、やはり視点が80年代的に思えてしまうのである。 時あたかもバブル前夜の様相を示し始めた現代を80年代になぞらえているのかと、深読みしてしまったりする。
スーツを着た身なりの立派 な大人が上流で、昼間っからぷらんぷらんしているヤングが下流というのも、いかにも苦しいのではないか。やるだけのことをやっておきながら、カメラの放列 の前で土下座する三菱自動車や明治安田生命の連中が上流のトップなのであろうか。今流行りのクリエイティブ系も、しょせんはスーツ親父の手のひらで踊って いるだけで下流にとどまるというのだろうか。
一流大学の入試改善や、その講義のインターネット化、あるいはまた、地方から東京の大学へ進学するも のへの援助が、階層固定化の防止策だという。ジョーク かと思ったが、どこにもジョークとは書いてなかった。ここにいたっては、すでに80年代的視点さえも消えてしまっている。もっともホリエモンや、ミキタニ や、ムラカミなどを「上流」と考えると、現実的な提案なのかもしれない。あまり趣味の良い国家にはなりそうにないのだが、どうだろう。

7 Comments:

At 11/08/2005 1:44 AM, Anonymous Boff said...

「スーツを着た身なりの立派 な大人が上流で、昼間っからぷらんぷらんしているヤングが下流」・・・・ぷふぅ。
以前、自分のブログにも書いたことがありましたが、世のサラリーマンとフリーターの消費性向について。
可処分所得が低いフリーターの方がDVDやCDを購入する率が高く、その分コンビニ弁当などではなく自炊というより高度な食生活を実践しているのだと。極めて「文化的消費パターン」だなと思います。=「上流」とはいいませんが、裏返せばサラリーマンは「下流」でしょう。

ホリエモンやミキタニなどに代表される「六本木ヒルズ族」の話しで、「へぇ~」と関心したことが1つ。
先日の全国交流集会の講演の話しで、笹森さんが彼らに呼ばれて「労働組合」について語ったことがあったらしいのですが、彼らは実にジェンダーフリーだそうです。「実力主義」に叶えば男性も女性も関係ないということなんでしょうけど、少し見直しました。
そういう意味でも、世の一般的なサラリーマンは「下流」でしょうね。

 
At 11/08/2005 9:54 AM, Blogger speedy said...

問題は、フリーターが買っているCDやDVDであり、またその購入方法だと思うのです。

それはサラリーマンだって同じな訳で。そのような意味では、フリーターやサラリーマンという境界線もあまり意味が無くなってきているのかもしれないと、思います。

実際に、趣味の良い音楽を聴いているサラリーマンというのもいるわけです。80年代、渡辺和博はそのごちゃごちゃした感じをうまく説明してみせたと思います。同じサラリーマンでも、聴いている音楽も着ているスーツも違うわけです。

コルトレーンと今井美樹は、上流と下流という枠組みじゃ説明できないですよね。ゴルフが趣味で韓国やフィリピンに海外旅行するのが趣味なサラリーマンは、今井美樹でしょう。昼間にマクドで友達とたむろする大きめのトレーナーを着てはちまきみたいなものを頭に巻いている連中も今井美樹なんですね、きっと。

 
At 11/09/2005 1:01 AM, Anonymous Boff said...

いや~どうでしょう。
まぁ中身(質)が問題だというのは良くわかるのですが、現代サラリーマンはほぼダメだと思います(アマチュアが多い)。
かといって、フリーターをよいしょする気もございません(アマチュアですから)。

コルトレーンと今井美樹が上流か下流かというと、今井美樹を下流とはいいませんが、コルトレーンは上流だと思います。きっと。

自分は、フラワームーブメントに憧れる下流だと自覚しています。サラリーマンですし。うふ。

 
At 11/09/2005 11:29 AM, Anonymous speedy said...

いやいや、三浦さん的には、スーツ着ているのは、上流なので、「サラリーマン」は上流ですよ。

こんなのほとんど意味を無くしていると思っていたのですが、実はまだまだ使い勝手の有る定義だったということですね。

大学の守衛さんが、スーツを着ている客には深々と挨拶し、そうでない人には素っ気無いです。そういう二分法ですね。

実際に、マクドナルドを主食にして、自民党に投票して、スーツ着ていない層が、確実に存在し、増殖している。

三浦さんの本にも紹介されていたけれども、朝からパチンコやの前でたむろする精気のないヤングがほんとに増えました。

それでも時代はバブルへと向かう、今日この頃です。

 
At 11/09/2005 7:29 PM, Anonymous boff said...

どうも。

> いやいや、三浦さん的には、スーツ着ているのは、上流なので、「サラリーマン」は上流ですよ。

スーツ着てない「サラリーマン」も多数おられます。そうすると、スーツ着ていれば上流なんでしょうか?
どうも揚げ足とりみたいに思われたらあれなんですけど・・・・やっぱりあんまり意味ないんでしょうね。

朝パチンコ開店を待つ人たちいますよね。
先日散髪屋さんでその話になって、「大学生であーなったらもう抜けられないんですよ」とマスターが言ってました。
夕方帰宅途中にパチンコ屋の前を通ると、今度は携帯電話や公衆電話でどこかに電話している人たちが目立ちます。あれはどこに電話しているんでしょうか?気になりつつも、どこかタブーな感じもして。朝夕のパチンコ屋前は、殺風景で嫌いです。

 
At 11/10/2005 12:31 AM, Blogger speedy said...

あんまり、長くなるのもなんですが、せっかくですから、知りたいですね、その携帯電話の先を。いや、なんかねすごく知りたいです。

先日、地下鉄の車両の中でボーとしてたら、つい見えてしまったんです、となりの人がうってる最中のメール。

「・・・俺は知ってるんだ、自分が親不孝だってことを・・・」みたいなメールです。

なんかその状況、まるごと悲しかったです(「イタかった」という表現もあるようですが)。

話しは変わりますが、フランスの暴動、やはり大変ですね。一瞬ファルージャと区別がつきませんでした。イラクの民主化ではなく、世界のイラク化が始まっているのかもしれません。

 
At 11/10/2005 11:22 PM, Anonymous Boff said...

たしかに長くなってもあれですが、冷静に思うと、パチンコ屋店内は通話などできないほどの騒音なんで、当たり前ですが店の外に出て電話するしかないんですよね。だからパチンコ屋の外で電話している人を見かけるんだと思いましたが、それでも何か特別な儀式に見えてしまいます。

フランスの暴動、「イラクの民主化ではなく、世界のイラク化」ってのはまさにそうかもしれません。中国の急激な軍備拡大もワールドワイドなミリタリーバランスに変動を与えるでしょう。
政治が間違わないよう、国民がちゃんとモニタリングしないといけませんね。

 

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