Monday, November 14, 2005

Bourdieu in Marketing Theory


ミクロの消費行動の分析からマクロの消費パターンの解明を、いかにして導きだすかという問題は、マーケッターやマーケティング研究者であれば、かならずぶつかるテーマである。このような問題設定に解決の方策を示してくれるのが、ピエール・ブルデューの社会学である。
主 体的行為に関心を集中させるのではなく、とはいえ、客観的構造の分析で事足れりとするのでもない、構築主義的構造主義がブルデューの立場である。それを 具体的に示しているのが有名なハビトゥス概念である。わたしたちは、ゲームにおける行為者として、ゲームの規則に拘束されているのと同時に、自由な戦略的 対応をすることも可能である。それがハビトゥス的実践である。
ブ ルデューの代表作といわれる『ディスタンクシオン』における「社会的位置空間=生活様式空間」の図を、マーケティング関係者がそれとしらずに見 れば、おそらくよくできたマーケットセグメントのモデルに見えるであろう。ブルデューは、資産の総量、職業的位置、そして文化的資本と経済的資本間の比率 から、分析をおこなっている。趣味の違いやライフスタイルの差異は、ブルデューにおいては現代的階級分析の中心に位置づけられるのである。もちろん、図式 化された階級間関係の構造は、不変ではなく可変である。
フランスのレギュラシオン経済学が、その中心的概念である「調整様式」や「制度諸形態」を 形成するにあたって、ブルデュー社会学、ハビトゥス概念を重用し たことはよく知られている。近年、マーケティング研究領域においても、文化論アプローチを模索する研究者達によってブルデュー理論の検討と応用がすすめら れている。
偉大な研究者の没後3年が経過した。ブルデュー階級論とマーケティング領域における文化論的消費分析、両者の融合は時代の要請といってもよいだろう。

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