Sunday, July 31, 2005

Mountain Dew: The Myth of Brand〜MPSA4


ア メリカの多くの地域では、炭酸飲料水のことを、Sodaという。むかし日本で もそのような言葉があった。 食事の際もこのSodaを飲むので、市場は大きい。レストランではSodaを飲むことを勧められる。過去25年間に2倍以上の市場にふくれあがったといわ れている。年間に一人当たり56ガロンを飲むらしい。Oh...
さて、このSoda市場は、知られているように、Coca-Cola社と Pepsi-Cola社によって二分されている。ブランドで見た場合、Coca-Cola Classicが1位、Pepsi-Colaが2位、Diet Cokeが3位である。そして、第4が、Mountain Dewとなる。Mountain Dewは現在、Pepsi-Cola社の一ブランドとなっている。
Mountain Dewは、1958年に開発された。「山のしずく」と訳されることもあるようだが、ブランド開発時の発案は、アパラチア山脈に伝わる古いフォークソングで 歌われている密造酒の名前をヒントにしている。現在に至るまで、この名前が継承されている。この命名と同時にアパラチア山脈の伝説にでてくる Hillbillyをキャラクター化したWillyを登場させて、ボトルや看板で起用している。このWillyが印刷されたボトルは、e-bayなどでマ ニアに人気のアイテムとなっている。アパラチア山脈はロッキー山脈に比べて、起伏が緩やかといわれるが、密造酒の製造に適切な程度には複雑な地形をもって いる。このような土地の性質からアパラチア地方には長く貧しい生活を強いられる地域が存在した。そのような地域ゆえの特異な伝説が存在したのである。 1964年にペプシがMountain Dewを買収した後も、しばらくはこのHillbillyキャラクターが用いられている。キャラクターの名前はClemと変更されて、テレビ広告などで起 用された。密造酒にも連なる山脈地方のmythとHillbillyのiconが継続的に用いられたことになる。もっともここまでのMountain Dewのストーリーは、数あるマニアサイトの常連であれば、議論の中心となるのだろうが、近年のブランド分析におけるMountain Dewのストーリーは、1990年代以降のそれということになる。
私 のMountain Dew初体験は、ウォルマートで見つけた、Mountain Dew Limited Edition Pitch Blackを飲んだ時である。いやもしかすると、日本のどこかの温泉の自動販売機で買ったことがあるかもしれない。いずれにしても、Pitch Blackは、40過ぎの私にもCoolであった。息子と二人で虜になったが、Limited Editionの名前の通り、いつしか入手できなくなった。同じく、2001年に市場に投入されたMountain Dew Code Redという際物もあるが、Pepsi-cola全体の売上を押し上げたといわれている。つい最近まで、ヤングの総称としてgeneration-Xが用 いられていたが、最近ではgeneration-Yというのがあるらしい。どうにも概念が曖昧で、使うのを躊躇してしまうが、その時々の最も若くて、大人 達がうらやむ消費者層をそのような言葉で説明するらしい。この若年層に圧倒的支持を受けて、この20年近いMountain Dewの大躍進があるといわれている。いうまでもなく、20年というのは世代を超えている。ましてHillbillyの頃からということになると、50年 近い年月が経過している。この間、それはMountain Dewであり続けたが、時代の文脈に合わせて、そのmythとiconを切り替えてきたのである。
Pepsi-Colaが使っている広告代理店は BBDOであるが、かれらは、長期間にわたって、Mountain Dewのmythを組み替えてきた。近年のそれはDo the Dew キャンペーンに集約されている。キャンペーンを創ったクリエーター達の若年層への深い理解、あるいはそれとの一体化によって成果がもたらされた。クリエー ター達は、若い世代の苦悩を知っていた。彼らは創られた華々しいヒーローに憧れたりはしない。まったり文化にはまっているからといって、まったりを「まっ たり」として表現するプロモーションに共感したりはしない。彼らに訴えるにはまったりのエートスを表現する何かこそが必要であった。
それが、新し いスポーツや新しい音楽ジャンルへの支援活動であり、共同作業であった。またグラスルーツ型ともいわれる販促戦略は、口コミを誘引し若い世代における圧倒 的な支持をつかみ取った。クリエーターや、その仲間達は、日常的に街に出て、若者達と話しをし、共同の作業を行っている。若者に人気のスポーツは Extremeといわれている。Inline Skating、Mountain Biking、Skateboarding、Paintball、Artificial Wall Climbing、Snowboarding、BMX Bicycling、Wakeboarding、Mountain/Rock Climbing、Surfingがこれに含まれる。いうまでもなく、これらが音楽、ファッション、行動様式と結びつき独自のカルチャーを創りだした。 ケーブルテレビでスポーツ番組を配信するESPNは、これらのスポーツを「X-Games」として浸透させている。ここにMountain Dewは、長年先行投資的な支援を行っている。Taco Bellも同様の投資を行っているとされる。モールのフードコートで、Taco Bellが若者を引きつけているのは偶然ではないということになる。緻密な計算が背景にある。
さて、がらにもなくブランド分析もどきを試みてみ
た。 実際のところ、学会で他人の報告を聞きながらプロジェクターから映し出されるマクドナルドのMマークを見ながら、「こんなダセーとこ、とっとと、引き 上げてーな」と思ってしまう私だから、狭い意味でのブランド分析それ自体は恥ずかしい行為だと考えている。ただ、マーケティングと生活世界の緊張関係、そ れについてブランドの物語が何かを示すのであれば、分析の意味はあると思うのである。

<資料>
http://www.oligopolywatch.com/2003/04/21.html

http://www.elearning.hbsp.org/demos/cases/m_dew.html
http://www.beveragemarketing.com/news2a.htm
http://www.jamjapan.com/jp/columns/i_media/xgames.html
Douglas B. Holt, What Becomes an Icon Most? "Harvard Business Review", March, 2003

0 Comments:

Post a Comment

Links to this post:

Create a Link

<< Home