Sunday, July 31, 2005

BestPlace: It's a Cool Tool〜MPSA2

インターネット上のコンテンツには使い勝手のよいものが多くある。Mapquestは最も良く利用されてい るものであろう。アメリカの自動車にはほとんどの場合、ナビゲーションシステムはついていない。道が単純にできていてわかりやすいからか、そんなことはな い。特にアメリカでの運転に不慣れな私は、地図で予習しただけでは必ず失敗するということを最初の頃にいやというほど味合わされた。それで、どうするかと 言いうと、このMapquestである。出発点と行き先を入力すると、どの道路を通って何マイル走って、どこでどちらに曲がってということを全て教えてく れる。これをプリントアウトして目的地に向かうことになる。慣れると、通りの名前、距離、方向だけをプリントアウトするだけで大丈夫らしい。私はその域に 到達しなかった。
さて、Sperling's BestPlacesである。これは全米の各都市ごとに、不動産価値に関係する客観情報と主観情報をワンセットで提供しているサイトである。操作はzip コードを入力してenterキーを押すだけである。おどろくほどの情報がおりてくる。現時点では、MSNが提供している簡易版の方が使い勝手が良いように 思われる。http://houseandhome.msn.com/PickAPlace/nf_search.aspx
まず、客観的情報とし ては、人口、平均所得、平均年齢などをはじめ多くの指標が示される。面白いところをひろっていこう。教育にかなりの重きが置かれる。生徒一人当りの教育支 出、教員一人あたりの生徒数、図書館司書一人当たりの生徒数、もちろん、高校、大学(2/4年)、大学院卒のパーセンテージが示される。それに暴力犯罪/ 窃盗犯罪、諸種税金率、住宅購入コスト、交通手段などが網羅されている。ちなみに当サイトのJVRI(Japanese View in Rhode Island)のgeographyのコーナーでは、この情報を使って、プロビデンスとノースキングスタウンの都市間比較を行っているので、関心がおあり の方はご覧いただきたい。
このBestPlaceがユニークなのは、単に客観指標をアレンジしているだけではなく、定性的情報を定量的情報と同格 に組み合わせている点である。例えば、ノースキングスタウンのネイバーフッドのタイプは、Scenic Exurbsが多いとされる。このライフスタイルの特性としては、高度な教育を受け、結婚しており、高度でかつ専門的な仕事を有している。主要な都市圏か らはかなり離れており、それは人気のSuburbよりもさらに郊外に位置し、高級感が強いとされる。多元的収入が家族の豊かさを支えていると分析されてい る。そして、私には理解できなかったことは、ライフスタイルの傾向の第一項目の、1940年代ノスタルジアの購入であった。どうやらそのような志向がこの 辺りの人々にありそうなことはわかった。それのどこが良いのか、さっぱりわからなかった。正直なところ、家など小人の家である。なぜそれが良いのか、1年 間で分かるはずもないということだけは、かなり早い段階で分かった。今回滞在の一つの目標、消費文化の日米比較は早々に挫折した。

BestPlaces的なサービスが日 本でも有効かどうか、正確に言うとアメリカほどに有効かどうかは、定かではない。アメリカでは都市ごと、地域ごとで暮らし並みがまったく違うゆえにこのよ うなサービスが意味をなすのかもしれない。たしかに日本でも地域によって暮らしは違うが、アメリカでは郵便番号が一つ違えば、天国と地獄、具体的な危険が ともなうからである。一つの国、あるいは一つの州に途上国から先進国までいくつもの国が存在しているようなものである。それと、日本ではこのようなサービ スの提供にはおそらく乗り越えなくてはならない文化的ハードルがいくつもありそうである。教育水準の比較、人種構成、貧困層のパーセンテージ、犯罪率、こ のようなものをワンセットで提供できるのかどうか、かなり疑問であろう。
アメリカは1990年代、久しぶりの好景気にわいた。いうまでもなくその 立役者が、インターネット関連のビジネスであった。さまざまなコンテンツ・ビジネスが活躍の場を与えられた。しかし、それを全て美化してはいられない。例 えば、長野弘子著『シリコンアレーの急成長企業』(インプレス、2000年)  によると、その時代に急成長したコンテンツ企業の多くがBtoB企業であ ることがわかる。しかもそれは顧客情報をネット上から収集しアレンジして企業に売り渡すというビジネスである。チープなマーケティング用語でいえば、 one-to-one marketingの資料アレンジメント業ということになる。しかしこれが私たちをいらだたせるダイレクトメールやスパムメールの元凶の一つであることは 疑いない。
私自身も、コンテンツ産業が発達済みの経済社会ではリーリング産業になると考えている。したがって、急成長している中国、インド、ブラ ジルなどとはITといってもまったく市場が異なる。中国の経済的脅威など、プロパガンダ以外の何物でもない。しかし、コンテンツ産業の中身についてはしっ かりとした見極めが必要となる。チンピラまがいのビジネスでの成功は、私たちの暮らしにとって意味がないばかりか有害でさえある。急成長しているとされる BtoBにしても、BtoCあるいはCtoCを起点にすることの重要性と意義を理解できないビジネスは早晩市場から駆逐されるであろう。

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